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センターに収容されている犬猫達の紹介です
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ツルちゃん、安らかに。
2011年09月30日 (金) | 編集 |
河川敷でホームレスの人に飼われていたツルちゃん。




DSC09469.jpg




大きな腫瘍をぶら下げて、12才で飼育放棄されました。


DSC09470.jpg




体を横たえるのにも、ひと苦労するような大きな腫瘍です。


DSC09471.jpg





センターに入って間もなく、その腫瘍が破裂してしまい、

ツルちゃんは緊急で手術を受けることになりました。



「治りますように」との願いを込めて、

千羽鶴の代わりに「ツルちゃん」と名付けました。



たくさんのマダニに血を吸われ、重度の貧血だったツルちゃん。

すっかり大きくなった腫瘍の中には、

太い血管が何本も入りこんでいて、たくさん出血したそうです。

心拍数が下がり、かなり危なかったけど、

なんとか手術は頑張りました。


「あ~、よかった、、、」


そう思ったのもつかの間、術後に危篤状態に。



私が病院に着いたとき、もうツルちゃんの鼓動はかすかでしたが、

まだ断続的に呼吸をしていました。



「ツルちゃん、ツルちゃん」と呼びながら、お顔をなで続けました。

病院の人達も、みんなで体をさすったり、見守ってくれていました。

その時なぜだかふと、この子の元の名前が

「はなちゃん」だったことを思い出しました。



「はなちゃん!」



そう呼びかけたとたん、暖かかった体がスーッと冷たくなって、

心臓が止まりました。



もう1度、飼い主さんに名前を呼んでもらいたかったのかな。

あと1度だけでいいから、名前を呼んでもらいたくて、

待っていたのかも。

そう思うと、不憫で仕方ありませんでした。



しっかりした瞳で、じっと見つめてくる子だったツルちゃん。

賢い子だったに違いありません。

病院での診察や検査の時も、とても良い子でした。




DSC09460.jpg




ツルちゃん。

助けてあげられなくてごめんね。

先生に重たい腫瘍を取ってもらって良かったね。





DSC09517.jpg




DSC09519.jpg




ツルちゃん、

身軽になった体で、お空をのびのび走ってね。


一緒に捨てられた、あなたの息子のミミ太くん

幸せになれるよう、願っていて下さい。




( 追 記 )

ツルちゃんの死を無駄にしないために
乳腺腫瘍について記載します。


乳腺腫瘍は早めに避妊手術をすることで
リスクを減らせる病気です。

初回の発情前に避妊すれば、いちばんできやすい
ホルモン由来の乳腺腫瘍は、防ぐことができます。
(ホルモン由来ではない腫瘍もあるため
 厳密にはゼロになりません)

初回から2回目の間に避妊すれば、10頭に1頭、

2回目以降の手術になると未避妊犬と変わらず、
4頭に1頭の高率で乳腺腫瘍ができてしまいます。

そのうち50%は良性、50%は悪性。
(ちなみに猫の場合は、ほぼ100%悪性です)

しこりを見つけたら、
注射器の針でしこりの中味を吸い出し、
良性か悪性かの簡易検査ができる腫瘍もあります。

しかし乳腺腫瘍は、この『針生検』では判断がつかず、
あくまでも切除して組織検査しないといけない腫瘍です。
良性だろうが悪性だろうが、
どっちみち、麻酔をかけて切らねばならないのです。

平均10~11才でできるこの腫瘍、
悪性だった場合、3センチを超えてしまっていては
再発率が高くなります。

ツルちゃんのように、破裂(自壊)すると、
転移する可能性が高くなります。

最も転移性の高い悪性のものは、米粒くらいの大きさでも
あっという間に転移していきます。

悪性の乳腺腫瘍(=乳がん)は、
肺や脳に転移することが多いようです。

性ホルモンに由来する病気は乳腺腫瘍の他にも、
たとえば『子宮蓄膿症』があります。

もちろん男の子にも、去勢で防げる
ホルモン由来の危険な病気があります。

未避妊未去勢で発症する確率が高く、
命にかかわる怖い病気があること、
わが子が若くてハツラツとしているうちは、
あまり危機感がわかないかも知れません。

避妊・去勢手術に抵抗のある方も意外と多いのが現状。

でももしその子がかわいいのなら、かわいいからこそ、
ずーっとあなたのそばにいて欲しいはず。
『1日でも長く元気で共に暮らしたい』
それはきっと犬も同じです。

早いうちに避妊去勢するメリットを、
改めて考えてみて下さい。

事情があって、初発情前に避妊できなかった場合、
お腹回りのチェックを日課にして下さい。

しこりを見つけたら、すぐに病院に行って下さい。

米粒ほどでも、あっという間に転移してしまう
怖ろしいタイプの腫瘍もあることを
覚えておいて頂けたら、と思います。

ツルちゃんのことをきっかけに、
愛犬の避妊去勢を考えて下さる方がいれば、
ツルちゃんは、その子の命を救うことになり、
ツルちゃんがここに存在した意味を
見い出せそうな気がします。









コメント
この記事へのコメント
悲しいです。ホームレス自身も自分の運命はわかりません。
そういう方に飼われていると、最後はどうしても引き離されてしまうことも多いでしょう。でもきっと花ちゃんにとっては、いい飼い主さんだったのでしょうね・・・。ゆっくり天国で休んでください。
2011/10/15(土) 05:24:12 | URL | miko #hSCFVYi.[ 編集]
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